この記事は、Team Rankstar に投稿された「PLAYING TO YOUR OUTS」の翻訳記事です。

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グウェントコミュニティのみなさん、こんにちわ。今日は、ランク30からランク0までのあらゆるレベルのプレイヤーに関係する話をしに来ました。全力でプレイするということ。それはみなさんがやっているはずですが、リスクを負うべきなのに慎重になりすぎているのをよく見かけます。それでは議論を始めましょう。

「全力でプレイする」とは、どういうことなんだ?

よくぞ聞いてくれました。そこから始めたいと思います。みんな勝ちたいから、その可能性が高くなるようにプレイしているはずですね。考えるまでもないですよね? でも「全力で」の部分が大事です。しょっちゅう、点数の異なるプレイ分岐があらわれて、その中には勝利につながるものとそうでないものが出てきます。勝利への可能性が開かれている選択をすることが「全力でプレイする」ということです。

じゃあ、いつもそれができていないということ?

概念的には、できています。しかし、勝利への可能性が開かれている選択というのがどういうものなのか、しばしば見誤ってしまうのです。この記事を読んでいるということは下記のカードのことは知っていますよね。

《ゲラルト:イグニ》(以後、《イグニ》と呼ぶ)は長きに渡って対策がされてきたよく知られたカードです。でも、いつも「イグニ避け」が正しいわけではありません。次の例が私の言いたいことの理解の助けになります。

例1:アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール

「教育なんていらない。思想統制なんていらない」 ― 訳注:Pink Floyd というイギリスのプログレッシブロックバンドが1979年に発表した曲「Another Brick in the Wall(壁の中のレンガ)」のタイトルと歌詞を引用している。この曲は管理教育への反発を歌い、社会現象となった。ここでは、ちゃんと考えずクセで「イグニ避け」をしてしまうのは洗脳された結果だと仄めかしている。

このシチュエーションでは、《サイラス》デッキは《イグニ》を使ってくるという仮想的な環境を想定しましょう。もし相手が《イグニ》を持っていたら、《ミレン》を間接列で使えば《イグニ》で一掃されてしまいます。でも、近接列で使えば、《イグニ》は何もできません。そのかわり、こちらは点数が2点下がります。

それで、《ミレン》は近接列と間接列のどっちに置くべきなの?

全力でプレイしていれば、《ミレン》は間接列で使うはずです。なんでか? 相手の最後のカードが《イグニ》であった場合、「イグニ避け」したとしても負けるからです。こっちの《ミレン》は6点なので、相手が2点の《イグニ》を出しても1点差で捲られることになります。逆に、間接列で使えば、最後のカードが《ポンター河の一掬》のようなカードだったら引き分けだし、《悪魔のホコリダケ》だったら1点差で勝てます。全力でプレイするというのは勝てるようにプレイすることです。相手の高打点を避けるということではありません。

それでは、もうちょっと複雑でよくある例を見てみましょう。

例2:近頃は誰もが巨大オーク樹を使っている

このケースでは、お互いに長くて激しいラウンドを戦った結果、少しのユニットしか残っていません。相手のデッキでこちらの優位を逆転できるのは《イグニ》か《巨大オーク樹》(以後、《オーク樹》と呼ぶ)です。どちらも《イースネ》のデッキではよく使われています。それでは質問です。こちらの《オーク樹》はどこに置きますか?

全力でプレイしていれば、正解は「近接列の一番右に置いて弱っている《ドワーフの傭兵》に3ダメージを与える」しかありませんとはいえ、多くの配信者がこういうときは24点も燃やされる《イグニ》の可能性を避けようとするのを何度も見かけていると思います。《オーク樹》を2つ左において10点にして、ダメージを3の代わりに1にしたりします。でも、ちゃんと計算してみましょう。相手の盤面には《ドワーフの傭兵》の残り1ダメージとともに22点あります。こちらは盤面に20点で、13点分のフィニッシャーがあって、使うと11点リードになります。《ドワーフの傭兵》を破壊しなければ実質10点リードです。ここで、《オーク樹》を10点にして24点燃やされる《イグニ》を避けたとしましょう。相手が《イグニ》持っていれば、それでも12点《イグニ》になり、2点差で逆転されます。そのため「イグニ避け」するかどうかに関わらず負けます。しかし、重要なことですが、相手の最後のカードが《オーク樹》だった場合は、《ドワーフの傭兵》を破壊して1ダメージ分と相手の《オーク樹》を1点分下げれば、相手の最後の手は10点となります。つまり、1点差で勝てるのです。

こちらの勝ち筋は、相手が《イグニ》ではなく《オーク樹》を引いている必要があります。全力でプレイするということは、相手の手札に対して、こちらが勝てる状態であると仮定して、そして勝つようにプレイするということです。過剰に《イグニ》を避けようとするのは無駄な努力となるだけでなく、こちらの勝ち筋を消してしまいます。それからもう一点。相手は《イグニ》も《オーク樹》も引いていない可能性があります。しかしながら、この2枚だけが相手の勝ち筋なので、それ以外のカードを考慮する必要はありません。こちらにとって意味のある選択は、《イグニ》の点数を大きく下げるか、下げないかだけです。全力を出し切れるのは片方だけです。

じゃーん。これが勝ち筋。 ― 訳注:《イースネ》デッキに入っていることは少ないが、《イグニ》ではなく普通の《リヴィアのゲラルト》の可能性もある。この場合もやはり近接列の1番右に置くべきとなる。

最後の例として、先日見かけた実戦の例を紹介したい。この例は上記で想定したものほど明確ではないが、勝利への道筋がどのようにやってくるかを示しています。

例3:Team Rankstar もミスをする

チームメイトの BabyJosus の配信を見ていたら、彼はランク0で「ショープ・キャランセ」デッキと対戦していました。

BabyJosus の配信の抜き出し:https://clips.twitch.tv/ClearLongSoymilkUncleNox

上記の抜き出しを見られない人のために説明すると、彼は《イースネ》デッキを使って、《キャランセ》に対して第2ラウンドブリーディングをしました。しかしながら、うまくいかず、第3ラウンドに彼はリーダーチャージが残り3回、相手はリーダーアビリティを残し、さらに継戦された《ショープ》《ヴァンダーグリフト》が盤面に残りました。彼は13点離された状態で第3ラウンドに突入したのです。ラウンド開始時のドローのあと、お互いの手札は4枚です。彼は《イグニ》を引きました。短いラウンドでは明らかに駄目なカードです。そして、リスクの少ないカードにマリガンしました。手札は《ヴリヘッド旅団の将校》を含む3枚の弱いカードと《シアラン》になりました。相手は初手で《シントラ軍の女魔道士》で《ヴァンダーグリフト》に活力を与えました。これを見て、BabyJosus は点差を跳ね返すのは無理として投了しました。

「彼は《イグニ》をマリガンするべきでなかった」と私が言いたいのはわかってもらえるでしょう。確かに、彼の《イグニ》が腐る可能性は高く、どちらにせよ負けていたと思われます。でも、《イグニ》ならなんとなったかもしれません。相手が《シントラ軍の女魔道士》を《ステニス》か何かで8点にブーストしたとしましょう。《シアラン》を使って《ヴァンダーグリフト》を移動し、リーダーアビリティを使えば、23点《イグニ》が出来上がります。こういう大逆転プレイだけが、この不利な状況を跳ね返す手段でした。《イグニ》をマリガンしたことによって、彼はわずかな勝利の機会を手放し、代わりに負けを確定させたのです。BabyJosus のような優れたプレイヤーも間違いを犯すものです。

念を押しますが、これは「後からなら何とでもいえる」というタイプの議論ではありません。逆です。結果的にうまくいかなかったとしても、勝てるように振舞うべきです。そのほうが負けを確定させるよりマシです。スナイピングしていると責められるのであれば、それはあなたがうまくやったということです。 ― 訳注:ここでいう「スナイピング」とは対戦相手の配信を見て、手札のわかった状態で対戦することを言います。グウェントをしていると、こちらの手札が見えてるだろ?と思うような相手の動きがありますが、それは本当に見えているわけではなく、単純に相手がリスクを負ってプレイした結果だったりもします。

さて、もちろん、これまでの内容は、何かの対策をとってはいけないということではありません。失うものがなくて、あるプレイが大得点《イグニ》以外にも勝てて、それ以外に点差を埋める方法がないなら、「イグニ避け」してもよいです。しかしながら、すでに多くの人が、それは出来ていると思います。そこを掘り下げる必要なないでしょう。

結論

いつも勝てる道筋に向かってプレイしましょう。相手の《焦土》が35点から28点になったとして、それがなんですか。どちらにせよ負けです。《ピーター・ザール・グィンリーヴ》が《オズレル》ではなく《グール》を初期化したからといってなんだというのです。《グール》が初期化されたら、どちらにせよ負けです。相手にボコボコにされることを恐れてはいけません。ときには絶対的に負けてしまうこともあるのです。でも、リスクを負うことで勝てることもあります。全力でプレイしましょう。そして、たとえ負けたとしても、もっと良い判断があったかもしれないということを思い出しましょう。

 

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訳者あとがき

やたらと《イグニ》が例に上がりましたが、過剰に相手の特定カードを恐れたり、ちゃんと計算せずに無意味な安全策をとってしまうことは多いと思います。Team Leviathan Gaming の Spyro_ZA が「やりがちなミス」シリーズで「勝ち筋を見極める」という似た話をしていましたので、忘れている方はこちらもご覧ください。

それではみなさん、ごきげんよう。